インプラントとは
私とインプラントとの関わり
私が学生時代を過ごし、歯科学を学んだ東京医科歯科大学では、カリキュラムの一環として実際に患者さんを治療するというものがありました。そんな中で感じたのは「歯を失った患者さんにまたよく噛めるようになってほしい」というものでした。自然と補綴学(義歯やインプラント、ブリッジなどの専門分野)により興味を持ちました。しかし、当時の大学病院には義歯の分野は確立されていましたが、インプラントを扱う診療科がなく、インプラントを学ぶためには大学病院に勤務する以外の選択をしなければなりませんでした。
幅広い補綴分野の研鐟をめざして、ある医療法人の勤務医として歯科医としてのキャリアをスタートさせました。この法人は規模がとても大きく、様々な患者さんに接する機会に恵まれ、また、補綴分野に関しても高度で特殊な義歯を学ぶことができました。そしてインプラントも多くの症例に携わりました。そんな日々の診察の中で痛感したのは、高度で特殊な義歯をもってしても「取り外さなければならない」「自分の歯と同じようには噛めない」など、義歯であることの限界は存在するということでした。インプラントに関しても、当時はチタンインプラントを使っていましたが、骨が少ない患者さんなど適応が難しい症例もありインプラントを患者さんが希望されても断念せざるをえないことがありました。
現在地に開業したあと、より良いインプラント、骨の少ない患者さんにも適応するインプラントを求め、出た結論がHA(ハイドロキシアパタイト)インプラントでした。
HAインプラントをおすすめする理由
長くチタンインプラントを扱ってきましたが、現在は大部分の症例でHAインプラントによるインプラント補綴治療を選択しています。
HAインプラントは骨を構成するハイドロキシアパタイトがチタン芯材にコーティングされたもので、安全性や骨との親和性があり、また、骨の少ないところにも骨の細胞を引き寄せて形成を促します。その結果、
- 骨が少ないところや疎なところにより適応できます
- 骨と強固に結合するために脱落する危険性が減ります
- 抜歯と同時に埋入手術がしやすくなったため、元の歯肉の形態を回復しやすくなり審美性に優れます(特に前歯)
- 全身の疾患、糖尿病、喫煙などによる悪影響がより出にくくなります
もちろん、チタンインプラントにも固有の利点があります。
- 二次手術が必要なく1回の手術で済む
- 埋入手術から型どりまでの期間がやや短い
下顎臼歯部限定で骨量が十分ある少数歯(1~2本)欠損の場合にチタンインプラントを選択する場合があります。
結論
骨量がすくなくなりがちな日本人の欠損症例には「骨の形成を促しながら骨と結合しいていくHAインプラント」が最適と考えます。チタンインプラントではあきらめざるを得なかったような症例にもより対応できるようになりました。
現在、当院では大部分の症例をHAインプラント、場合によってはチタンインプラントを使い分けております。
HAタイプ→スプラインインプラント
チタンタイプ→ITIインプラント
どちらも、臨床実績が豊富で安全性が確立されています。
